兵庫県の北東部に位置する出石町
但馬の小京都と呼ばれるこの町、江戸時代には但馬地方で経済の中心的な役割を担っていました。
平成の大合併により隣接する豊岡市に併合。現在は豊岡市出石町となっています。
幕末ファンにとっては長州藩士の桂小五郎が京都を追われて身を潜めたところとして知られています。
その数ある隠れ家の一つをご紹介したいと思います。





出石藩の歴史...
慶長9年(1604)小出氏が藩主となり、元禄9年(1696)まで藩主を勤めました。
元禄10年(1697)に松平忠徳が武蔵国・岩槻より入封して藩主となります。
宝永3年(1706)の国替えで信州上田から仙石氏が入封、明治維新まで藩主を勤めました。
この時、仙石氏がそば職人を伴い出石入りしたことにより名物の出石そばが出来たといわれています。










長州藩が蛤御門の変(元治元年・1864)で破れて身を追われることになった桂小五郎は、この出石町に逃れて来ました。
そして小間物屋を営むなどして身を隠していたのです。
桂小五郎の隠れ家は今回ご紹介する場所の他に7カ所あったと言われています。
出石町へは自家用車で行くかJR山陰本線の豊岡駅や八鹿駅から全但バスの路線バスで行く事になります。
豊岡市役所出石支所(旧出石町役場)周辺が出石観光のターミナルになっています。
すぐ南には出石城跡があり、道路脇には堀があって緑豊かな情景が心を和ませてくれます。
南北を貫いている大手前通りが出石のメインストリート、沿道にはたくさんのお店が建ち並び賑わいを見せています。
桂小五郎住居跡へはこの大手前通りを北へ向かいます。
3つほど通りを過ぎたあたりの交差点脇に史跡案内の看板が立っているのでそこまで大手前通りを北へ歩きましょう。
出石そばのお店などが目に飛び込んできますがここは我慢。。。そのわけは後ほど。
大手前通りにある案内板(道路右側にあります)










宵田通り(大手前通りから西を向いた風景です)
大手前通りから横道へ入ります。宵田通りという筋を今度は西方向へ歩きます。
先ほどの賑わいは影を潜め、静かな街並みです。
宵田通りを歩いていくと出石そばのお店が見えてきます。










そば屋よしむら外観
そば屋「本家よしむら」
このお店が今回ご紹介する桂小五郎住居跡、まさにその場所です。
建物自体は当時のものではありませんがここに桂小五郎が隠れ住んだのです。
そば屋の左横に史跡の説明書きと碑がたっています。










桂小五郎居住跡
桂小五郎居住跡(荒物屋跡)
元治元年(1864)七月禁門の変に敗れた長州藩は朝敵となり桂小五郎も追われる身となりましたが、
出石の町人甚助・直蔵兄弟の義侠により京都を脱出し町内各所にかくまわれていました。
当家は荒物屋を営んでいた跡です。愛人の幾松も訪れています。
潜居九ヶ月、九死に一生を得た小五郎はやがて回天の大業を為し遂げ木戸孝允と名を改め、
維新の三傑と仰がれましたが、この出石こそ桂小五郎の再生の地となったのです。

左横にある桂小五郎住居跡の碑

説明書きの看板です

史跡説明看板

桂小五郎住居跡碑

桂小五郎住居跡碑











店内の座敷に "桂小五郎潜伏の地" という説明書きがあります。
座敷の奥に位置していますので座る席によっては間近で見れないこともあります。
時間をずらしてお昼過ぎに行くと近くで見れるかも。





店内の説明書き
桂小五郎潜伏の地
明治維新三傑の一人山口藩士木戸孝允の
まだ桂小五郎と名乗っていた元治元年蛤御門の変に敗れて但馬出石町に潜伏した。
その手引きをしたのが出石の住人広戸甚助であった。
但東町大畑の出石藩関所をうまくのがれ出石町宵田に店を借り
広江屋孝助と名乗って小間物商を営んでいた。
慶応元年四月八日には出石町を去って山口に帰っているが
その潜伏地に記念碑が建ち出石名物の「そば屋」本家よしむらに成っている。
このほかにもかくれ家が町内四五カ所にある。
小五郎捜索のため京都から新撰組が繰り込んだといわれ妻幾松もいくどかここを訪れている。
当時出石藩は佐幕派だったためその他にひそみかくれていた小五郎の変装の妙は
いまだに出石住民の話題となり語り草となっている。










出石町立史料館
ここでも桂小五郎に関していろいろと見ることが出来ます。
藩主に変わり桂小五郎が代筆したという巻物、その他2、3点の本人直筆の書き物などがあります。
そのほかに藩主(仙石氏)の甲冑や槍・刀などの武器、出石藩札、豊臣秀吉の書状や徳川家康の書状、
明治維新を告げた立て札(慶応4年のもの)なども展示されています。

資料館入館券→

左:仙石家家紋「永楽通宝」 右:仙石家家紋「丸に無」

出石町立史料館入館券










桂小五郎キーホルダー
おまけ
桂小五郎キーホルダーというおみやげがあります。
キーホルダーの大きさは本体(小五郎の絵の部分)が親指の爪ほどの大きさです。
←これでだいたい実物大。(スキャンした画像です)










出石にはまだまだこれ以外にも歴史の趣が数多く残っています。
是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。







  出石地図
 (出石地図の別ウィンドウ表示はこちら)[Google マップ]

 出石地図




アクセスリンク

JRおでかけネット

全但バス

NPO法人但馬國出石観光協会





BACK